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サンドラさんのこと [日々のつれづれなること]

 私は、ここ3年ほど、年に2、3回、JICAが沖縄県看護協会に委託をしている母子保健「公衆衛生活動による母子保健強化(スペイン語)研修」の一コマ 産婦人科医療施設の概要と地域との連携について というテーマで講義を担当している。

 サンドラさんは、グアテマラから来た看護師さんだった。成果発表会の時、正直、サンドラさんに関しては、グアテマラの民族衣装がきれいだなというくらいの印象しかなかった。しかし、一見おとなしそうであまりお話をしない、ラテンの研修員の人々がいろいろ質問したりする中でも、目立ったなかった彼女は2か月の研修で様々な学びをし、それを自国でしっかり活かしていたのだ。正直、研修を受けに来ても、自国に帰ってアクションプランをしっかり実行する人の方が少ないのが現状である。あとで、サンドラさんにきくと、私の話を聞き漏らさないように、一生懸命メモを取っていたとのことであった。なんともうれしい。
 彼女は、私の勤めるクリニックで使用している授乳パジャマをグアテマラの民族衣装で作って、病院の入院時からのガウンとして使用したり、当院の救急カートを参考にJICAのボランティアさんと作り、スタッフに使い方の研修を行ったりと様々な工夫をしていたのだ。他にも、フリースタイルでの分娩ができるように、何もなかった部屋を掃除してポスターを張り、スタッフを教育してフリースタイルに取り組み始めている。家族にもフリースタイルの教育をしたりしている。ニカラグアに私がいたときに、キラリでフリースタイルの出産に取り組み始めたのを視察に行ったのを思い出す。人間的な出産の走りだったと思うが、5年たって、グアテマラでも始まっているのだなあと感じる。
 これらの活動を報告したレポートが評価され、3月に良い活動をしている研修員を再度招いた同窓会のような研修で、サンドラさんと再会できた。サンドラさんの活動については、看護協会のスタッフや通訳さんからお話は伺っていたが、まさかご本人にお会いできるとは思わず、とてもうれしい再会だった。彼女は、私に、グアテマラの生地で作った授乳ガウンをプレゼントしてくれた。宝物だ。
 いろいろな反対もありながらも、精力的に活動をするサンドラさんには本当に頭が下がる。素晴らしい人だと思う。
 いつかグアテマラに行き、彼女の活躍を実際に見てみたいと夢は膨らむ。

 来年1月の講義で、この事業も終了になる。
 こんな形で、海外の研修員の方たちと関われたこの3年は、貴重で楽しい時間であった。また、どこかで、皆の国に行ける日が訪れることを願っている。

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力作 授乳ガウン 
JICA かなりの量の布を寄付してもらったとのことであった。サンドラさんの熱意が伝わった一枚ではないだろうか。グアテマラの女性たちが、病院での出産を嫌い、自宅分娩をしたがる傾向がまだあることからも、病院にきても少し家庭に近い暖かい気持ちになれるように伝統的な布を使用することにしたらしい。

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